2013年06月14日
ワインや発泡酒の中味を知る。
最近色々イタリアのワインそして発泡酒の工場を訪問していくと 色々な事が分かってきます。土地、気候、発酵せる方法 工場によって様々です。
でも そんなワインを飲んで 頭が痛くなったり、ならなかったりするというのも飲む側からするとあります。当然 昔輸入されていたようなワインは 全然お酢に変化していたり、やまほどの酸化防止剤がはいっていてそれを冷蔵庫で 冷やしてわからなくしていたりというのが 20年位前は まだまだ日本でもありました。
ワインは アルカリ性飲料です。酸素と触れていくと酸性に変わり 放っておくとお酢の原料と変化していきます。良くイタリアでワインの下に溜まったオリをMADRE(母)と呼び、それからお酢を作るなんて話も教えて貰いました。
それだけ ワインは 温度や環境によって物凄く味が変化するし、劣化もしていきます。だからこの夏場には ちょっとだけ美味しく飲む場合は 気を使ってあげないと駄目なんです。
我々輸入社だって、時期を考えて 10000kmの船の上の航海は真夏の炎天下の赤道直下を通って運ばれてきます。普通のコンテナーで運べば気温は30度は室内当然超えていき ワインは一気に劣化していきます。そうならない為に リーファーコンテナーという冷蔵庫(温度調整)付きのコンテナーで私は運んでいます。これを使うと経費が高いので大手は 安くするために船底に積載したり、酸化やバクテリアの発生を抑えるために ワインの中に酸化防止剤を多めにいれたりします。
ワインを飲んで頭が痛くなるのは ご本人の体調もありますが、多くはこの酸化防止剤の量も影響してくると私は考えます。当然1名2本も飲めば 少ない酸化防止剤も大量となるわけです。ただこれは全部が健康に害かというと量の問題であって、バクテリアの繁殖を抑えてくれたり、酸化をしないようにしてくれます。古代のローマ時代は 硫黄の煙をいれたり、オリーブオイルを表面に入れたりして酸化を防いでいたという話も聞いたことがあります。今イタリアでは BIO オーガニックなどの流行文句が健康志向と共にもてはやされていますが、ワインにおいても 二酸化硫黄(酸化防止剤)を全く使わないと言うのも 売るために開発されているようです。(私は全く信じておりせんが)
なので ワインを選ぶときに 何を基準に選ぶかのポイントは 私の中では勿論最初は香りが芳香であることと、次に味 つるつる飲める事、そして後味が綺麗であること、更に最後翌日絶対頭が痛くならない事が条件です。あと最近 ワインや発泡酒は糖を餌にアルコール発酵が行われます。なのでこの糖がアルコールにならないで残留の糖として残ったものが、RESIDUAL ZUCCHERO(残留糖)と言います。これは辛口が当然10g以下(1000ml) 20g以下(1000ml)中辛口
そして20gを超えると甘口で 1000mlで20gも糖が入っているとなると糖尿病などの方は 余り宜しくないですね?なので 辛口の赤ワイン、発泡酒だと影響ないと私は考えますが、でも大体 糖尿病に向かう人は甘いのが好きなはずです。(笑)
残留糖も消費者には買うときに見えません。酸化防止剤も買うときにはボトルの裏に二酸化硫黄(酸化防止剤)亜硫酸塩と表現したりもします。この量が 私には一番気になるところです。多くのワインは1000ml辺りに100mgから200mgは 入っていると思うんです。MG(ミリグラム)なので 普通のg(グラムではない)にしても 多くのワインはそのくらい入っていると思っていて良いのではないでしょうか?
たとえば今回私が輸入した物の 酸化防止剤の量は
ランブルスコは種類にもよりますが、129mg-160mg 1000ml辺り
プロセッコ 112mg-12m8g 1000ml
そして驚くのが
赤ワイン CALVIOLO これはなんとたったの44mg-60mg(1000ml)
そして残留糖は たったの1.35g(1000ml) PH3.66
そして個人的にプロセッコの会社の好きな赤ワイン(個人向けのみ)
これも 71mg
なので数値からみても 私がつるつる飲めるという表現をするのは ちゃんと意味があるんですよ。酸化防止剤が少なければ 私はつるつる飲める、勿論たんにんや酸化度が低いという条件の時に 感じる事が分かります。
あと残留糖が 少ないという事はアルコール発酵しているという事で比較的にアルコール度数が高くなっていたりというのも理にかなった現象です。
私が今一番気に入っている赤ワイン トスカーナ州 ボルゲリ地区 カベルネソービニヨン85% シラー15% アルコール度14.5 ステンレスタンク熟成
味が濃厚でお花やフルーツの香りがします。
CALVIOLO 2008 本当につるつる飲めて危ない赤ワインです。23年間イタリアで飲んで これ以上の赤ワインにはまだ出合っていないと思います。でもずっしり重い タンニンや樽の渋みが好きな方には不向きかもしれません。毎日テーブルで飲むワインとしては 価値があると自画自賛していますが、でも 美味しいを決めるのは 消費者の皆さんです。でももう3年継続して 年々ファンが増えているのを見ると そんなに消費者の皆さんのピントを大きく外しているとは思わないんだけどなあア?あとは 量を増やして数年後にはこれを1500円前後まで落とせれば、完璧なんだけどなあ?
一度飲んで見て下さい。勿論少量も今年からは買えるように掲載しております。