サフランを訪ねて。
ナポリを後にして電車で3時間かけて北上。ウンブリア州テルニという町に到着しました。
以前からご案内してましたが テルニという町は 聖ヴァレンタインの発祥の町なんです。守護神サンヴァレンチヌという司祭さんが自由の恋愛を推し進めて迫害された歴史があるようです。
30年位前に まだ独立したての頃何も考えないで テルニにチョコレート会社があれば 日本できっと本物の愛の証で売れると 宝くじのような夢を抱いて探しまくった結果 ペルージャにBACIというチョコレートしかなく 夢破れて戻ってきた記憶が蘇ります。(笑)
ペルージャでメンズのレザーを製造されていらっしゃる方が 以前からオリーブオイルをお友達に紹介してくれてお礼ができればとお伝えしたら わざわざテルニまで来て下さって レストランで初対面しました。イタリアで それもメンズのレザーだけを作っていらっしゃるのは 本当に大変だろうなあと色々お話を聞かせて貰いました。私も オリジナルで作って下さいとお願いしてみました。色は深い ボルドーか、深いオリーブ、もしくはネイビーの濃い色。私もずっとファッションの仕事もしていたけど いっつもファッションは 誰もが怒っていた。日本のお客さんも サンプル通りじゃないから 始まって イタリアは 日本人は全然ファッションが分かってないとか。でも 食は みんな笑っているから 私にはやっぱり食の方が向いていたんだと思います。
翌朝 テルニから2時間半かけて おんぼろで1車両の電車に乗り アブルッツォ州のラクイラという町に日帰りで来ました。
イタリアでサフランのDOP品質を持つ場所から 既にサフランのパウダーを注文していたから 是非一度は現地の収穫を見たいと思い訪問しました。10年近く前に大地震があった場所で 町はまだまだ修復中の建築物が沢山ありました。
サフランは 朝花が開く前に収穫するので その現場は見れませんでしたが摘み取られた花の分別作業の場所で 雌蕊 雄蕊 花びらを分けていました。雌蕊はサフラン 雄蕊は 染色剤 そして花びらはジャムなどに使われるそうですよ。
サフランはクロッカス属ですが殆どクロッカスの花とは異なり とても小さな花でした。昔ブルガリアのダマスクローズを見学に行った際も こんなに小さなバラなんだと思いました。また朝摘み取るというのも サフランと同じだなあと。
サフランは 雌蕊を 36-36度の熱で乾燥させて行きます。本当に摘み取りからここまで手作業のみ。私は サフランパウダーを輸入しているから そこからは機械で粉砕して 除湿用の紙の包に0.1gずつ入れて 最後アルミの貼ってある容器に3包入れて完成です。
サフランは 同じ土地で毎年作ると 栄養分がどんどん下がっていくから 一度使った土地は数年お休みさせるそうです。かなり土の栄養を吸収するのが分かりました。なので そこのポイントをちゃんと行っている生産者かどうかが とてもポイントだそうです。サフランは 1gを作るのに200本の花が必要だから高価なスパイス。金儲けだけの為に 同じ土地で毎年作る 他国の産地もあるようです。
それは 韓国の朝鮮ニンジンの産地へ行ったときも 同じ話を聞いたことがあるから やっぱり栄養価の高い物は 世界中同じなんだなあと思いました。
地元の方は トニック水にサフランを溶かしたり パスタやリゾット クッキーなどにも使うようです。
古代から重宝されてきたサフランは 長く人間が病気を軽減したり予防として使って来ているので 脳 目 生殖器 女性ホルモンの促進などには 効果があると話をしてました。逆に 妊婦さんには まだ解明されていないから 妊娠時期には使わない方が 良いというのも事実のようでした。
サフランと言う花は 兎に角デリケート 気候条件 土壌条件で 花芽が全くつかなかったり するので 農薬や化学肥料が使われると全く花は咲かないから BIOや有機は 説明する必要が無いそうですよ。勉強になりました。
イラン産 スペイン産 アフガニスタン産などのサフランも香りを嗅がせて貰いました。香り 色(赤から濃い朱色がベスト)で黄色は ダメだそうです。勿論料理に入れると黄色になるので 悪質な業者は 色々な他の成分を混ぜたりして高い値段で売ったりもするようです。イラン産が 世界の95%を占めるそうですが どんなに安くてもイランまで行く元気はないから イタリアのDOPというちゃんとした品質を保証しているサフランを取り扱おうと思いました。
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