イタリアで今一番予約が取れないピザレストラン
2025年10月35年目のイタリア訪問を最後はナポリで締め括りましたが その前にちょっと パスタの社長が普段取れない予約のピザ店 いや ピザレストランを予約してくれたので その感想を単独で残しておこうと思います。
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これまで南のイタリアの人たち それも食に従事している人たちが やたらピザは ナポリ北のカゼルタに注目が集まっているというので なんでだろうとずっと思っていました。確かにカゼルタは モッツアレーラチーズの産地ではあるものの 特にピザが有名になる要因はない筈なのにと。
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イタリア出発前にパスタの社長に ダメ元で予約取れないかなあと聞いたら 俺の友達だから任せて!と 土曜日の夜予約を入れてくれました。でも車がないと行けない場所だから 昼に変更してほしいと伝えると ちゃんと車はスタッフと社長の息子さんが同行するので心配要らないと 全て手配をしてくれました。

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パスタの会社からナポリまで車で1時間 そして我々のホテルからカゼルタが また車で1時間ちょっと。夜7時に迎えに来てもらってカゼルタノルドの高速出口を出て30分位 山の上に向かいました。途中街頭もないような山中。こんな所に そんな有名なピザ屋さんがあるのかなとひたすら山を登って Caiazzo という小さな村の公営駐車場に車を止めて そこから登りの坂道を10分位歩く。これが結構急勾配がきつく 大変な場所だった。


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お店につくと 洞窟のような中にとても 素敵な雰囲気のレストランがあり 沢山の行列が出来ていました。我々は予約していたので少し待ってテーブルに通されました。その待っている間に オーナーシェフのペペ フランコさんが挨拶に来てくれて 一緒に写真を撮ったり サインをしてくれたりと凄いサービスでした。

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洞窟の中に作られた素敵なレストランは とてもピザだけとは思えない雰囲気でとてもエレガント。ナポリの街中にみかけるお客さんとはちょっと雰囲気が違っていて イタリア全土から 車を飛ばして またわざわざ来るお客さん達。絶対イタリアは 人だかりのある場所には お店を出さず 絶対不便で 足がない場所にお店を作ります。そんな場所に誰が行くの?というピザなら 絶対誰も行きません。でも不便で わざわざ行かないと食べれない価値がある物は 沢山のファンが訪れます。これは 30年前にプラダのアウトレットでも思った事で なんでこんな不便な場所にお店を作るの?と聞いたら 家賃が安く 人件費も安いから。
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それは間違いないけど お客さんが来なかったら?と聞くと イタリア人は お客さんが沢山来たら 最高に楽しいでしょう?と やっぱり 商売は 立地ではなくて 経営している内容が お客さんにとって価値があるかないかだけ。とっても魅力があれば 場所は 関係ない事を深くイタリアで学べる。
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わざわざ来なさい この言葉に尽きます。だから絶対お客さんにとっても魅力がある事をやってないと いくら立地が良い場所でお店を経営しても長くは続かないのです。
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さてピザは 前菜でフライにした物が2種類 そのあと5種類のピザ最後にデザートまでピザ生地の上に甘いものを乗せた物だった。ちょっと日本人には もう無理という位のレベルの量でした。ピザを 単なるマルゲリータに限定せず お店の名物マルゲリータは 間違ったマルゲリータという名称でした。トマトソースにマルゲリータではなくて チーズにトマトソースをデザインして 既存のマルゲリータから進化させていく ナポリの伝統ピザを もっとレストランとして格を上げようとしているのがわかります。



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オーナーのペペさんは これまで見てきたピザ職人とは一味雰囲気が異なり なんだか建築家のような雰囲気のある方でした。
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一度は 訪問する価値のあるお店でした。160席 夜8時に訪問して満席 お店を出る23:00でもまだ お店に入る列を作っていました。多分毎日500名以上 訪問するお客さんがいるんだと思った。
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ただ個人的には 私は 色々なヴァリエーションがあるピザよりも やっぱり生地がもっちもっちで 水牛のモッツアレーラと バジリコとトマトのシンプルが 好みだなあと思いました。

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大衆のピザと日本のラーメン。どちらも作り立てで 庶民の食べ物。大衆のピザ店をレストランに 変えようとしている。30年前に ミラノのプラダは 山登りのナップサックを パラシュート生地を使って ミラノの働く女性が使うリュックサックと変化させた。古いイメージを破壊して 新しいイメージに変えていけるのが イタリアのクリエイティブ力だと思う。
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Pepe in Grani
Caiazzo(Caserta) Campania
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